月別アーカイブ: 2015年5月

形式論ノート(13)

断面形式として「入れ子」はよく用いられているが、形式的に純粋なものとしては毛綱毅曠の「反住器」で、3つの立方体の入れ子になっている。

立方体だけで住宅の内部空間を構成するというコンセプチュアルな作品である。

それに対して藤本壮介の「HOUSE N」も3層の入れ子になっているが、外部空間を含んだもので住宅として内部と外部の新しい関係を提案している。

反住器のマニエリスティックな形式に対して、HOUSE Nは入れ子を感じさせないものとなっている。

 

貴志 雅樹

※「形式論ノート」は貴志雅樹が生前自身のブログに綴ったものです。

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引越しコラムの第5回が掲載されました。

本年より月に1回、引越し一括見積り・比較サイト「引越しAじぇんと」にて貴志泰正がコラムを執筆させていただいています。

第5回である今回は、建築そのものが引越す(移動できる)事例について書かせていただきました。

ご覧いただけましたら幸いです。

 

引越し一括見積り・比較サイト「引越しAじぇんと」のページ

引越しコラム第5回のページ

ライター貴志泰正の紹介ページ

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貴志雅樹を偲ぶ会 遺影・花器・生け花

連日、偲ぶ会の話題で申し訳ありません。

会場正面の献花台後方の遺影・コンクリートブロックを積んだ花器・生け花についてご紹介させてください。

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遺影・花器のデザインは事務所OBの協力によるものです。

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幅5メートル、高さ3.9メートルという大きな垂幕の遺影は、貴志雅樹の高校時代の同級生でインクジェットプリントによる広告制作を手がけておられる株式会社ビーアンドピーの和田山英一社長の御厚意により御提供いただきました。

和田山様、社員の皆様に心より御礼を申し上げます。有難うございました。

株式会社ビーアンドピー:B&P のウェブサイト

 

全身が写った貴志雅樹の写真は、2008年10月に富山県高岡市で行われました金屋町楽市の際の姿です。(当時59歳)

撮影者は富山大学芸術文化学部で現在学部長を務めておられます武山良三先生です。

武山先生、素敵な写真を有難うございました。

武山良三先生の紹介ページ

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また、写真の背景は故人の設計による「レストラン LATOUR」の壁の一部です。

レストラン LATOUR の紹介ページ

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花器はコンクリートブロックを積み上げたもので、事務所OBの深江康之によるデザインです。

深江康之建築設計事務所のウェブサイト

 

生け花は貴志雅樹の次男で華道香山流の家元である貴志侑正(きし ゆうせい)によるものです。

各テーブルの中央に置かれた花も彼の手によります。

華道香山流のウェブサイト

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手前味噌ではございますが、建築家貴志雅樹らしい「しつらえ」になったのではと考えております。

改めまして、お越しいただきました皆様、有難うございました。

 

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御礼(貴志雅樹を偲ぶ会)

弊社の創設者貴志雅樹を偲ぶ会へお越しいただいた皆様、お手紙や電報をお送りいただいた皆様、誠に有難うございました。

また、会場にてお別れの言葉を頂戴しました安藤忠雄先生、出江寛先生、難波和彦先生、献杯の御挨拶をいただきました吉羽逸郎先生、誠に有難うございました。

故人は先生方にお話しいただいたことを大変光栄に、そして誇りに思っていることと存じます。

司会を務めてくださった竹原義二先生には会の全体の流れを考えていただき、遺影へ向けてあたたかい言葉をたくさんかけていただきました。有難うございました。

富山大学の横山天心先生には多くの関西の参加者がご存じでなかったであろう富山での実績や故人が残した言葉をご紹介いただきました。有難うございました。

また、最後になりましたが、この会の開催にあたり、御協力いただきました発起人の先生方、会場の設営や受付、送迎等をお手伝いいただいた皆様、皆様のお力がなくては会の成功はありませんでした。

心あたたまる素晴らしい会となりましたことに御礼申し上げます。

本当に有難うございました。

 

株式会社 貴志環境企画室

代表取締役 貴志 泰正

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貴志雅樹を偲ぶ会

本日、弊社の創設者貴志雅樹を「偲ぶ会」を下記のとおり開催していただくこととなっております。

 

日時 201559日(土)午後530分~午後730(受付 午後430分から)

会場 綿業会館 新館7階大会場 大阪市中央区備後町2丁目58号 TEL 06-6231-4881

※会費1万円(立食形式) 御香典・御供花等は御辞退申し上げます。

貴志雅樹さんを偲ぶ会 発起人
池上俊郎 北村陸夫 木原千利 小島孜 竹原義二 吉羽逸郎 吉村篤一 若林広幸

 

会の開催に御尽力いただきました皆様に心より御礼申し上げます。

本日は何卒宜しくお願いいたします。

 

株式会社 貴志環境企画室

代表取締役 貴志 泰正

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形式論ノート(12)

形式の変容例として、コートハウス形式について述べよう。コートハウス形式の基本は、コートあるいはアトリウムを中心として各室が取り囲む形式である。各室は中心のヴォイドから、光や風、湿度などを取り入れる。変容例としては、「ITO-HOUSE」(左図)「ウィークエンドハウス」(中図)など空間を分節するためにコートを取り入れる方法、「みちの家」(右図)のように中心のコートを土間が取り囲みその周りに各室が取り付くという内部と外部の中間帯を含んだ例もある。

 

貴志 雅樹

※「形式論ノート」は貴志雅樹が生前自身のブログに綴ったものです。故人を偲ぶ会を前に事務所のブログへも掲載させていただきます。

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形式論ノート(11)

形式というと建築を規制するかたぐるしいもののように考えがちだが、建築がある自由を獲得するための指標である。過去から継承してきた形式を現代どのように変容させるか(複数の形式の重層・形式をずらす等)と考えると可能性が見えてくる。それでは形式とは建築を創出するための下敷きのようなものか、あるいは、形式がなぜ必要なのかという疑問がわくかもしれない。これはウィトゲンシュタインがー世界の実体が規定しうるのはただ形式のみであるーといったように、我々の思考そのものが言語により規定されている。つまり建築も形式により思考される。それでは形式によらない建築とは、あるいは、形式の見えない建築とは。前者は建築とは呼ばないし、後者は形式から始まり熟成した建築である。形式から思考するが、それを感じさせない空間を創りだす事が建築することである。

貴志 雅樹

※「形式論ノート」は貴志雅樹が生前自身のブログに綴ったものです。故人を偲ぶ会を前に事務所のブログへも掲載させていただきます。

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