貴志です。
建築業界の専門家として出演させていただいたバナナマンさんがメインを務める「業界×流行×ドキュメント」がテーマの業界リサーチバラエティー番組「沸騰ワード10」が、私が住む関西でも放送されましたので、少しばかりその内容について書かせていただきます。
今回の放送で紹介された“沸騰ワード”は次の4つ。
■バンブー建築
■タニタ食堂のあるマンション
■アート系幼稚園
■味園ビル
この記事では、まだ触れられていなかったアート系幼稚園について書かせていただいて、このシリーズの区切りとさせていただきます。
さて、アート系幼稚園というネーミングですが、実は私自身にとっては聞きなれない言葉でした。
一般的に使われている言葉というよりは、今回の放送のために番組を制作されている方が考えられたネーミングかと思います。
芸術系の教育をする幼稚園かと誤解されそうな気もしますので、“デザイナーズ”といったフレーズに置きかえられるのかなとも思ったのですが、子供たちのアートな心を育む園舎という意味が込められているのかもしれません。
一方、VTRで紹介された園舎の設計を手がけられた「幼児の城(株式会社日比野設計)」さんについては、以前より存じ上げておりました。
弊社も幼稚園・保育園等の子供たちの施設の設計を現在進行形で手がけておりますので、設計事例集などもいくつか所有していまして、設計する際の参考にしています。
こどもたちの建築 building for children (弊社設計事例)
「幼児の城」さんの設計事例は多くの本で見かけますし、近年特に数多く幼稚園舎・保育園舎を手がけておられる印象がありました。
今回、個人的に映像で園舎を観られて有難かったのは、作品集や事例集に掲載された写真ではわからない空間のつながりや広がりを感じることができたことです。
これまでの数多くの実績から蓄えられたノウハウが散りばめられており、大変勉強になりました。
有難うございました。
VTRのなかで調理室を子供たちが見られるようにすることで「食育」に力を入れておられた園舎がありましたが、弊社でも同様の事例がございますので、ご紹介させていただきます。
東京都羽村市にある「富士みのり保育園」では、調理の様子を見られることや、4・5歳児用には専用のランチルームを設けるなど、成長に大切な「食」について興味を持ってもらうための試みに熱心に取り組んでおられます。
下の写真の右側の空間が調理室です。
下の写真は、専用のランチルームです。
また、この園舎では、「安全安心を徹底した見守り性が高い空間」として、2010年度のキッズデザイン賞を受賞しています。
富士みのり保育園の紹介ページ(弊社ホームページ)
幼稚園・保育園は、子供たちが初めて家の外で長い時間を過ごす場所です。
未来のある子供たちのために、安心で楽しく、ときに刺激的に過ごすことができる園舎を設計できるよう、取り組んでまいりたいと思います。
最後に、今回の放送で取り上げられた4つのテーマ(沸騰ワード)は、それぞれ興味深いものでした。
あまり専門家的なことはお話しできていませんでしたが、事前準備として関連する項目について調べたり、知識を整理するなど、大変貴重な機会になりました。
関係者の皆様、ご覧いただいた皆様に改めて御礼を申し上げます。
有難うございました。
貴志 泰正