江戸末期の古民家を再生した。大和棟を持つ住宅である。明治、昭和と増築されていたが初期の姿に減築し、元の形式に戻した。内部は土間と板間で構成し、間仕切りの建具は取りはらい、4畳半の畳だけを象徴的に板間に配し茶室とした。 大きな屋根の下に一続きの空間があるのだが、大和棟という形式のもとに自由な空間を獲得した例である。
貴志 雅樹
※「形式論ノート」は貴志雅樹が生前自身のブログに綴ったものです。故人を偲ぶ会を前に事務所のブログへも掲載させていただきます。
ウィトゲンシュタインの「論理哲学論考」の一節を紹介する。
すべての対象が与えられるとき、同時にすべての可能な事態も与えられる。
対象はすべての状況の可能性を含んでいる。
事態のうちに現れる可能性が対象の形式である。
世界の実体が規定しうるのは、ただ形式のみであり、実質的な世界のあり方ではない。なぜなら、世界のあり方は命題によってはじめて描写されるものであり、すなわち、諸対象の配列によってはじめて構成されるからである。
貴志 雅樹
※「形式論ノート」は貴志雅樹が生前自身のブログに綴ったものです。故人を偲ぶ会を前に事務所のブログへも掲載させていただきます。
貴志 雅樹
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貴志 雅樹
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日本建築は構成的ではないと言われるが、日本の芸術に見られる和の構成法としていくつか挙げる。①切れの構成(俳句などにみられる)②曖昧にしながら統合する構成(洛中洛外図の雲)③過去の文脈を利用する構成(枕詞・序詞)④増殖してゆく構成(雁行、九の間論)⑤天地人の構成(活け花)⑥余白の構成(書道)⑦重層の構成(庭園における見え隠れ)⑧ミニマルな構成(枯山水)⑨布石による構成(回遊式庭園)各構成法について、具定例を示すと同時に、建築について用いられているかどうかも考察してゆきたい。
貴志 雅樹
※「形式論ノート」は貴志雅樹が生前自身のブログに綴ったものです。故人を偲ぶ会を前に事務所のブログへも掲載させていただきます。