歴史的に考えるならば、「機能」という言葉には、1930年頃までは少なくても五つの異なる用法を特定することができる。
3.「有機的な」形態理論における生物学的隠喩として
ドイツ・ロマン派が発展させた形態についての有機的な考え方から引き出されたもの。
人間の要求を満たすという意味での「機能」ではなかった。
「形態は機能に従う」というアフォリズムで有名なルイス・サリバンにおける「機能」は、いかなる点でも有用性や使用者の必要性と無関係である。
代わりにそれは、有機的な本質の表現という形而上学をすべての基盤にしている。
貴志 雅樹
※「モダニズム・ノート」は貴志雅樹が生前自身のブログに綴ったものを再構成したものです。