ウィトゲンシュタインの「論理哲学論考」の一節を紹介する。
すべての対象が与えられるとき、同時にすべての可能な事態も与えられる。
対象はすべての状況の可能性を含んでいる。
事態のうちに現れる可能性が対象の形式である。
世界の実体が規定しうるのは、ただ形式のみであり、実質的な世界のあり方ではない。なぜなら、世界のあり方は命題によってはじめて描写されるものであり、すなわち、諸対象の配列によってはじめて構成されるからである。
貴志 雅樹
※「形式論ノート」は貴志雅樹が生前自身のブログに綴ったものです。故人を偲ぶ会を前に事務所のブログへも掲載させていただきます。