形式論ノート(1)

建築における形式とは、建築を構成する基本形のようなものかもしれない。

形式とは、建築が成立している時代の歴史・文化・風土・技術をベースに生みだされてきたもので、人の生活を受け入れ、人と人、人と社会、人と自然等の関係性を構築してゆく型のようなものかもしれない。

型(Type)が建築の核心の観念で建築の本質に迫るものであり、様式(Style)が建築の美を担保するものであるなら、形式は建築の関係性を担保するものであるかもしれない。

ただ、形式には、建築の関係性を固定化するという矛盾も孕んでいる。そこで我々は、新たな形式を模索し続けるか、従来の形式をズラス事など試みながら、絶えず建築の関係性を新たに更新してゆく必要に迫られている。

 

貴志 雅樹

※「形式論ノート」は貴志雅樹が生前自身のブログに綴ったものです。故人を偲ぶ会を前に事務所のブログへも掲載させていただきます。

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