カテゴリー別アーカイブ: 建築家 貴志雅樹

丸3年が経ちました。

1月24日。

今日は先代の貴志雅樹の命日です。

丸3年が経ちました。

 

先日、堺市の実家に親族が集まって法事を行いました。

ご住職になぜ法事を行うのかお尋ねしたところ、親戚が集まる機会になる、故人のことを考えるきっかけになるといった効果についても語られましたが、その後に続けられた言葉が印象に残りました。

生きている我々は、亡くなった人から今でもいろんなことを与えてもらっている、受け取っているのだと。

この3年、迷ったときは先代の声が聞こえてきて、私の決断を後押ししてくれた気がしています。

(都合よく解釈している可能性はありますが…。)

そのことに感謝しながら、しっかり前へ進んでいきたいと思います。

 

貴志 泰正

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「建築と社会」(2017年7月号)に掲載されました。

弊社がデザインしました屋台骨 yatai-boneが、日本建築協会の協会誌「 建築と社会 」(2017年7月号)に掲載されました。

毎月1作品紹介される「gallery」というページでご紹介いただいています。

日本建築協会は今年の3月30日に創立100周年を迎えた歴史ある団体です。

本号の特集も「100年前の建築、100年後の建築 ~意匠・空間の視点から~」という大変意義深いものですので、「屋台骨」をよくぞ取り上げてくださったと恐縮しつつ、感謝しております。

「建築と社会」(2017年7月号)目次

 

また、先代の貴志雅樹も「建築と社会」(1991年3月号)の「gallery」のページでご紹介いただいていたことがわかり、事務局の方にお調べいただいたおかげで1部入手することができました。

代表作であるレストラン LATOURが掲載されています。

先代の作品と比較しますと、ますますお恥ずかしいかぎりですが、四半世紀を超えて同じ誌面で取り上げていただけたことを大変嬉しく、光栄に感じております。

末筆ながら、この企画にお声をおかけくださった池上明先生にお礼を申し上げます。

貴重な機会をいただき、有難うございました。

 

株式会社 貴志環境企画室

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幸せな時間 その1

少し前の話になりますが、1月7日(土)の午後に先代の貴志雅樹が設計した住宅を訪問させていただく機会に恵まれました。

弊社の連絡先の管理が悪く反省するばかりなのですが、一昨年に先代が亡くなった際には設計を依頼してくださった全ての方にご連絡することができませんでした。

この住宅にお住まいのお施主様にもこちらからお伝えすることができていなかったのですが、偶然ホームページをご覧いただいてお電話をいただいたのがきっかけとなり、この日が実現したのでした。

不義理をしておりましたのに、ぜひ家族一緒にと誘っていただき、母、妻、息子とともに4人で伺うことができました。

建物は鉄筋コンクリート造の2階建で、外観はコンクリート打ち放しです。

1984年の竣工ですから築30年以上になりますが、愛情を持って大切に住んでくださっていることを感じ、大変嬉しかったです。

リビングのソファーに座ってお話しさせていただいたのですが、上部の吹き抜けを通して家族の居場所がつながる心地よい空間でした。

また、竣工時の写真や披露パーティーのときに撮られたものなど、大切に保管されていた写真を見せていただいたり、お家のなかをご案内いただいたりと幸せな時間を過ごさせていただきました。

私だけでなく、家族にとっても貴志雅樹の仕事に触れられる貴重な時間になったようです。

 

さて、貴志雅樹はこの住宅を発表した雑誌(住宅建築1985年3月号)のなかで「多次元統辞の家」というタイトルの文章を書いています。

彼は、建築の形態が多様化するのに対し、その構成方法は機能から抜け出せずに一元的なままであると当時の状況を捉え、そこから逃れるための具体的な方法としての「多次元統辞法」を次のように定義しています。

 

多次元統辞法とは、多様性に対応するために形態が多様化したように、建築の構成法も多様な脈絡に合せて多次元で対応させ、数種類の構成法を一つの建物の中で採用するという方法である。

 

そして、多次元の構成方法にまで発展していないとしながらも、二種類の構成方法を異なった次元で創り出して一体化したものであるとして、この統辞法の具体例としてこの建築を説明しています。

 

コンクリート打放しのラーメン構造と壁式構造で構成する。ラーメン構造は、空も含めた外部のエレメントを、梁・柱のフレームで切り取り内部に引き入れる装置とし、フレーム間の間仕切壁は、ガラスを用い、内外空間の一体化をはかる。このフレームを敷地にセットした後に、フレームを囲む形で壁を建ててゆき、機能的に必要な空間を確保してゆく。また壁構造の壁は、外部に対応する表情をもたせるため、内部との関係性をできるだけ希薄にし、四面を異質な様相にした。

 

この建築が竣工したとき、先代の貴志雅樹は35歳。

奇しくも、息子である私も現在35歳です。

父のように自身の設計を通して何かを発信することはまだできていませんが、このような恵まれた環境にいることに感謝し、この日のような体験をしっかりと設計をするうえでの糧としていきたいと思います。

ご招待くださったお施主様に心よりお礼を申し上げます。

本当に有難うございました。

 

貴志 泰正

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三回忌

本日、先代の貴志雅樹の三回忌の法要を行いました。

命日は1月24日でしたので、もうすぐ2年が経ちます。

いろいろと考えることがあったからでしょうか…。

随分前のことのようにも感じます。

ですが、不思議と遠くに行ってしまった感覚はありません。

何となく近くで見守ってくれている気がしています。

そして、何より彼が設計した建築はまだ生きています。

いや、これからも生きていくはずです。

先週の3連休のうちの2日はお施主様にご招待いただき、彼の設計した建築のなかに身を置くことができました。

建築家という仕事の幸福を感じています。

 

貴志 泰正

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貴志雅樹を偲ぶ会(一周忌の集い)

昨日2月16日19時より、心斎橋の割烹「湖月」にて「貴志雅樹を偲ぶ会(一周忌の集い)」を開いていただきました。

発起人の竹原義二さま、辻壽一さま、村木睦弘さま、素敵な会を企画いただき、誠に有難うございました。

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故人が創設時から関わらせていただいたアーキソシエイツの登録建築家の方々にご参加いただき、OB・OGを含め約25名が集う盛大な会でした。

建築家の先輩方からあたたかいお言葉をかけていただき、より一層精進せねばと決意を新たにした次第です。

今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

 

株式会社貴志環境企画室

代表取締役 貴志泰正

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貴志雅樹 一周忌

弊社の創設者 貴志雅樹が永眠いたしまして、ちょうど一年が経過しました。

大阪府堺市の故人の実家に近親者が集まり、一周忌の法要を行いましたので、御報告いたします。

また、一周忌に際しまして、あたたかい御言葉、御心遣いを頂戴いたしまして、誠に有難うございます。

失礼ながら、この場を借りて御礼を申し上げます。

今後とも株式会社貴志環境企画室へ故人同様の変わらぬ御厚情を賜りますようお願い申し上げます。

 

2016年1月24日

株式会社 貴志環境企画室

代表取締役 貴志 泰正

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喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます

 

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本年1月24日に弊社の創設者 貴志雅樹 が65歳にて永眠いたしました

故人が生前に賜りましたご厚誼に心より感謝申し上げます

 

皆様にはご心配をおかけいたしましたが 故人の遺志を引き継ぎ

未来のためのさまざまな環境の企画に真摯に取り組んでまいる所存です

今後ともご支援ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます

 

2015年12月

株式会社 貴志環境企画室

貴志 泰正 ・ 根塚 陽己

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貴志雅樹 監修「建築・設計・製図」刊行のお知らせ

弊社の創設者 貴志雅樹 が生前に監修者として関わりました「建築・設計・製図」(著者:松本明氏・横山天心氏)が学芸出版社より11月15日に発行されました。

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詳細は以下の通りです。

 

書名 : 建築・設計・製図 住吉の長屋・屋久島の家・東大阪の家に学ぶ

監修者 : 貴志雅樹

著者 : 松本明 ・ 横山天心

A4変判・92頁・定価 本体2800円+税

ISBN978-4-7615-2609-2

 

■■内容紹介■■ (学芸出版社ホームページより)

安藤忠雄「住吉の長屋」、堀部安嗣「屋久島の家」、岸和郎「東大阪の家」の名作住宅3題で製図、パース・模型制作、プレゼンテーションと一連のスキルを学べる入門書。中庭をもつ矩形平面という3題の共通点や、周辺環境や構造種別(RC造・木造・S造)に応じた個々のプランニングで、空間を読み解きながらの基礎習得を実現!

 

学芸出版社のホームページ

「建築・設計・製図」の紹介ページ

目次

著者紹介

はじめに

 

学芸出版社の書籍の取り扱いのある書店では、すでに店頭に並んでおります。

貴志雅樹は前書きはじめにの文章のなかで、この本(教科書)を作ることにいたった経緯やそれに込めた思いについて記しております。

また、初学者向けの製図の教科書でありながら、名作住宅の原図やそれに関連するコラムが掲載されておりまして、実務者にとっても興味深くお読みいただける内容かと存じます。

ご興味がおありの方は、是非ご一読いただけましたら幸いです。

 

最後になりましたが、貴志雅樹が亡くなってからも作業を継続してくださった著者の松本明先生、横山天心先生、学芸出版社の岩切江津子様をはじめ、関係者の皆様に心より感謝しております。

有難うございました。

 

株式会社 貴志環境企画室

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日本建築士会連合会賞 優秀賞受賞のお知らせ

弊社の貴志雅樹と富山大学講師の横山天心氏が共同で設計監理しました「木津の庄コミュニティセンター+公園」が

「平成27年 日本建築士会連合会賞」 優秀賞

を受賞しました。

関係者の皆様に御礼を申し上げます。有難うございました。
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平成27年 日本建築士会連合会賞入賞作品
日本建築士会連合会賞 作品紹介ページ
「木津の庄コミュニティセンター+公園」の紹介ページ(弊社ホームページ)
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幸運な出逢い

貴志です。

昨日21日は、珍しく日帰りで東京へ出張しておりました。

何をしに行っていたかは、また改めてお伝えしますので、お楽しみに。

 

さて、帰路について新幹線に乗る前に夕食を済ませようと思い、品川駅へ向かいました。

東京駅へ出る方が早かったのですが、先日上京した際に東京駅構内の飲食店がなかなか高級だったこともあり、庶民的な私は品川駅の方が落ち着くなあと考えまして…。

 

その判断が昨日は幸運な出逢いをもたらせてくれたのです。

品川駅の在来線のホームから階段を上る際に、建築家の北山孝二郎先生とすれ違ったのです。

Kojiro Kitayama + K Architect & Associates 北山孝二郎+K計画事務所

先代の貴志雅樹は北山先生が関西におられた頃に交流があったようでして、北山先生は5月の貴志雅樹を偲ぶ会にご多忙のなか東京から駆けつけてくださいました。

自信はなかったのですが、慌てて階段を駆け下りまして、失礼ながら声をかけさせていただきましたところ、すぐに私が何者か理解してくださり、大変感激いたしました。

偲ぶ会の際にはわざわざ東京からお越しいただいたにもかかわらず、バタバタと走り回っていて、きっちりと御挨拶できていませんでした。

それがずっと引っかかっておりましたので、直接御礼を言えたことが本当に嬉しかったです。

「(貴志雅樹は)飲みすぎてたんと違う?」「こないだ富山に行ったときに思い出したよ。」などと、優しい口調で語りかけていただき、電車に乗られる間際には握手までしてくださいました。

そもそも東京へ行く予定ができたことも、幸運なご縁があってのことでした。

そんな幸運な出逢いの連鎖に心より感謝しています。

有難うございました。

 

貴志 泰正

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