カテゴリー別アーカイブ: 建築に関するニュースから

天災と人災

貴志です。

ここ数日、スキーツアーバス転落事故のニュースが大きく報じられています。

事故にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方やそのご家族にお悔やみを申し上げます。

事故につながった要因がいろいろと報道されていますが、建築関係の事故ともつながる話があり、考えさせられます。

価格競争が起こることは資本主義の世の中では仕方ないのかもしれませんが、どのような分野でもそれに従事する人間に過度な負担がかからないための適正な仕事量があるはずで、その実現は適正な報酬を得られているかによるところが大きいものと思われます。

今回、バスツアーの受注に法律によって最低基準額が定められていることを初めて知ったのですが、建築業界では設計の分野でも施工の分野でもそのあたりの法整備は遅れているように思います。

全く同じ仕事がないという意味では、基準を設けにくいのは確かでしょうが…。

過去に世間を騒がせた建築関係の事故も、コスト削減を狙うことから歪みが出たものが多いように感じます。

地震や津波、台風、洪水等は「天災」ですが、そこから被害を拡大してしまった場合、「人災」と断じられるケースもあります。

それらの境界は明瞭ではないかもしれませんが、「人災」を起こさないため、日々の業務体制を大切に考えなければならないと改めて感じています。

 

貴志 泰正

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阪神・淡路大震災から21年

貴志です。

昨年の同じ日のブログでも、やはり震災に触れていましたが、今日で阪神・淡路大震災から21年を経過しました。

11日に成人式がありましたが、今年の新成人からは全員が阪神・淡路大震災以降の生まれになるそうです。

ふるさとの復興とともに 新成人にとって震災とは (神戸新聞NEXT)

上記の記事の中には、

「被災を経験していない僕らの世代は、地震の本当の恐ろしさを理解しにくい。」

「(震災について)現実味がない。」

「物心ついたときには街はきれいになっていた。」

という新成人の声も少なくなかったと紹介されています。

これらの率直な意見は、ある面では復興が順調に進んだことの表れとも言えるでしょう。

 

ところで、昨年、東北の復興支援のお仕事をされている方にお会いする機会があったのですが、次のような言葉が強く印象に残りました。

「東北は今、2つの“風”に困っている。」

そして、2つの“風”とは、「風評」「風化」だそうです。

 

過去の教訓を未来へ生かしていくために、正しい情報が伝えられていくことの大切さを改めて感じた一日になりました。

 

貴志 泰正

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3.11

貴志です。

東日本大震災から4年が経ちました。

私は当時週に1回保育園の工事監理に通っていた東京で、その瞬間を迎えました。

そのときに感じた揺れと恐怖は、阪神・淡路大震災のときに大阪で感じたそれよりはるかに大きく、間違いなく震源は関東周辺だろうと思ったのですが…。

一大事だということで、その日の定例会議は中止。

しばらくして、震源が東北だと知るにつれて、ことの重大さがわかってきたことを記憶しています。

 

喉元過ぎれば熱さ忘れるという言葉がありますが、1.17とともに今後も3.11を自分が建築の仕事をする上での責任について考える日にしなければいけないと考えています。

 

貴志 泰正

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