日本の構成法として、「切れの構成」をを例にとると、長谷川櫂は和の思想の中で芭蕉の有名な俳句である
古池や蛙飛びこむ水の音
この句がどうして切れているかというと、芭蕉は蛙が飛び込むところを見ていない。
音をきいているだけである。
実際に古池に飛び込む蛙を見ていたら単なる写実である。
音を聞いて心の中にある古池をイメージしたという句で、現実社会と心の中の次元の異なる世界が同居していることになる。
「切れの構成」とは異次元のものを等価に扱う構成法である。
また、長谷川によると「和」とは異質なものを共存させる精神であり、それを可能にするのが「間」であり、「間」を創りだす方法が「切れる」ということであると述べている。
貴志 雅樹
※「形式論ノート」は貴志雅樹が生前自身のブログに綴ったものです。