貴志です。
建築家が世間に対して自身が設計した建築を発表する場合、便宜上それに名前をつける必要が出てきます。
名前のつけ方は建築家さんによって様々で、その人の建築に対する姿勢が見られる部分でもあります。
さて、私の場合、先日ご紹介した屋台に「屋台骨」と名づけるなど、つい言葉遊びやダジャレに走ってしまいがちです。(特にコンペの応募案の場合、その傾向が強くなる気がします。)
先代の貴志雅樹はあまりこういうことはしなかったはずなのにまずいかなあと考えていたところ、それに近い例が見つかりましたので、ご紹介します。
それが、1997年に竣工した「ONE BOX 家(カー)」シリーズです。
個人のシェルターであり、個人の部屋という領域を拡大していくことにより生まれた“ONE BOX CAR”のような家という意味でのネーミングです。
ONE BOX 家 Ⅰ
ONE BOX 家 Ⅱ
コンセプトや自身の姿勢を打ち出すという意味で、ネーミングや用いる言葉は大切なものだと感じています。
慎重に、丁寧に、ふさわしい言葉を見つけ出せるよう努めたいと考えています。
貴志 泰正