耐震性と住み心地のリノベーション
renovation of earthquake-resistant & comfort
2020

 
 
 

  

所在地 大阪府大阪市
用途 専用住宅
構造 木造
規模 地上2階
敷地面積 429.47
建築面積 199.71
延べ面積 287.17㎡
 
 
  
昭和初期に建てられた築80年を超える住宅の耐震改修計画である。
すでに増築や改修が繰り返されてはいたが、今後起こりうる地震に耐えられるよう、最も古くから残る母屋の耐震性能の向上が求められた。
建物の自重を軽減するため、瓦葺きの屋根を金属で葺き替えることを主たる方針とした。
その際、視覚的にも軽くなりすぎないよう、金属製の棟飾りを設けた。
屋根の軽量化による効果は大きかったものの、耐震性にはまだ不安があったため、耐力壁を増設する必要があった。
母屋の台所と食堂のある部分は2層分吹き抜けた天井の高い空間であったが、古い建物だけに土間からの段差も大きく、不便も生じていた。
そこで、耐震性能を上げる工事と生活の利便性を高める工事を行う箇所をできるだけ一致させ、床の段差の解消やキッチンの交換と合わせて、既存の床・壁を撤去し、新たに基礎の補強や耐力壁の設置を行った。
また、洗面台と洗濯機を置くスペースを増築し、ここでも耐力壁の増設と利便性の向上を兼ねている。
目に見える変化は少ないかもしれないが、この家が家族を守る場所として、より安心な存在になってくれた意義は大きいと考えている。