所在地 大阪府大阪市
用途 保育園
構造 鉄骨造
規模 地上3階
敷地面積 西園舎:450.39㎡ 東園舎:341.36㎡
建築面積 西園舎:238.58㎡ 東園舎:246.98㎡
延べ面積 西園舎:642.21㎡ 東園舎:686.06㎡
大阪市内の住宅街に道路を挟んで建つ保育園2棟の建替計画である。
分棟ではあるが、1つの施設として2棟が“つながる”ことを目指した。
具体的には、西園舎のエントランスをアーチ状の凹部として外壁面よりくぼませ、東園舎のエントランスには凸部となるポーチを設け、前面道路とは直交しない軸線で2棟が向かい合う関係をつくった。
また、保育室と廊下の天井は塗装仕上げとし、2棟ともに1階はピンク色、2階は緑色、3階は水色のパステルカラーで統一することで一体感を持たせるとともに、大きな開口部を通して屋外から同じ色の天井が見える効果を狙った。
ちなみに、ピンク色は花、緑色は草木、水色は空のメタファーであり、各園舎で健やかに成長してほしいとの願いが込められている。
外壁は建替前の園舎の色を踏襲して園の創設者が「ひよこ色」と呼んでおられた黄色に塗装し、園の歴史とも“つながる”ことを意識した。
建築と合わせてデザインしたエントランス吹き抜け部の2種類の「ひよこ」のマークは、2羽を組み合わせることで園の在り方を象徴する1つのロゴマークとなってくれた。
前面道路の幅員は4mと狭く、道路斜線制限をクリアするために保育室の天井高は2350mmに抑えられているが、設備計画とも合わせてリズミカルに円形の折り上げを設け、開口部も垂壁のない天井までの高さとすることで、明るく広がりのある保育空間が実現できたのではと考えている。
円形はデザインコードとして、建具やカーテンのデザインにも取り入れ、楽しさを表現する手段とした。
2棟の園舎が近隣から親しまれてきたこの保育園の歴史をつなぎ、長く子供たちの心身を育む場となることを願っている。
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粉浜学園